31.7.19

アレの書評


体制にこびていくスタイル。

ちゃんと読みましたという証拠写真

そんなわけで今回は、結城康平著『ポジショナルプレーのすべて』について書評を書きたいと思います。ちなみにご存じのように、サッカーに関しては赤子ほどの知識も持ち合わせていないため、ポジショナルプレーについては「3-3-5とかなんかそういうやつ?」くらいの認識です。相変わらず、私はサッカーの何を見ているのか自分でもわかりませんが、よく考えたらサッカー見てませんでした。

手に取った最初の感想は「厚いのに軽い。」でした。軽い、は中身の話ではないです。物理のお話です。漬物石にはなりませんが、通勤通学のお供には良さそうなのが憎いです。
そして表紙がポップ。キャッチー。イケメン。無印良品っぽい素朴さで「老若男女、サッカー好きな人みんなに読んでほしい♥」みたいな寛容さを感じさせます。
著者の結城氏に関しては「平日だろうが休日だろうが5㎏はしそうな鞄を常に携帯しているいちごパフェが好きなおっさん(お兄さん)」というイメージを勝手に抱いているため、このカバーデザインには一抹の不安を抱きました。
あの結城氏がもつ独特な鬱陶しさがカバーからは微塵も感じられない。結城氏の良さ(鬱陶しさ)が消されてしまっているのでは?!恐るべし商業誌!!
あと私は帯がベリって切れるのが快速電車通過待ちの次くらいに嫌いなので、この「帯がないのにあるみたい」なデザインを高く評価します。

さて中身が難しそうなのであとがきから読みますと、先ほどの心配など無用と言わんばかりに結城氏の鬱陶しさとエンカウントできます。くっそ。思惑通りあとがきから読んでしまった。これから読む方は、この苛立ちを回避するためにもあとがきは最後に読もう。

そんな苛立ちを抱えたままページを戻り、まえがき、冒頭のセンテンスを読んで私は驚愕しました。
”ポジショナルプレーは、(中略)言葉として使われることが滅多にないように、”(p.7)
ないんかーい。メジャーなタームちゃうんかーい。

折れた。心が折れた。「“ポジショナルプレー”という単語を使えない奴は素人」みたいなプレッシャーだけが読むモチベーションだったのに!
まずい。このままでは書影評になってしまう。

仕方がないので他人の書評をパク参考にすべく、ツイッターで検索してみたら、どうやらかなりの時間と労力をかけて書かれていると評価されているようです。確かに。焼き肉を食べに誘ってやっても、トングおよび箸で肉を掴むとき以外はずっとスマホで情報収集しているような結城氏である。友達や彼女を作ることを犠牲にして書かれた本だと言ってよい。
これは買ってやらざるを得ない。氏のリアル人生を想い、泣きながら読むべき本だ。